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2011/05/18

シュルレアリスム展

030

私の好きな美術館の一つが、パリにあるポンピドゥセンター

出来た当初は、あの無骨な建物がパリの街には合わないと物議をかもしたようだけれど、今ではすっかりパリの名所の一つとなっている

そのポンピドゥーセンター所蔵作品が5月15日(震災の影響で延長)まで国立新美術館で展示されていた

しばらくぶりの美術館の穏やかな中にもどこかシャキッとした空気を吸い込み、展示室へ

シュルレアリスムというと、難解な感じがしてちょっとしり込みしがち

けれど、入口には『入門ポケットガイド』なるものが置いてあり、シュルレアリスムの簡単な説明を読んで出発できるのも心憎い演出

そして、シュルレアリスム宣言の内容や様々な当時の雑誌や記事等の展示、それぞれの時代に起こった技法の説明なども、難解さを和らげてくれ、あとは存分に作品を楽しませていただいた

面白かったのは、ただの既製品の瓶掛けに自分が署名することで、その瓶掛けをただの瓶掛けから超越したところにある「別のもの」としてしまう『レディメイド』という技法。この説明を読まずに、ただぱっと天井からつりさげられた瓶掛けを観た時には、瓶掛けと分からず『かっこいい!!アートだな~』と思ったのだけれど、実はただ買ってきてサインしただけ、という説明を読み、すっかり別のものとして観ていた自分がおかしくもあり、深く納得してしまった

『甘美な死骸』という作品では、他の人がなにを書いたかわからないよう紙を折りたたみ、そこに、頭、上半身、下半身、足という具合に別々の人が絵を描いていき、広げるとそれぞれの部分が組み合わさった思いもよらない絵が出来上がる、というなんとも遊び心に溢れたものも展示されており「そういえば、昔これに似た言葉遊びを良くやったな~」と懐かしさが湧いてきた

他にも、絵と題名の意味とがまるで合わないマグリットの作品や、今回ファンになってしまったジョアン・ミロの作品。美術の教科書で見た時には全く良く分からなかったダリの作品やただのモノにも甘美さを漂わせるマン・レイの作品etc.etc.

『常識や理性にとらわれない純粋な美、現実をつきつめた”超”現実を描き出すためにいろいろな方法を考え出した』のがシュルレアリスムということで、なるほど、想像や夢や雰囲気といった形にならない世界を形に表そうとすると、こうなるのか!という新しい発見が山ほどあり、その画家たちの頭や気持ちの中をちょっとだけ覗けたような気分になった

年齢を重ねるごとに、見方や感じ方は違ってくるもので、今回は特にそう感じることが多く、またいつかポンピドゥーセンターへ行った時が楽しみになった展示会だった

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